1.胃がんとは
胃がんは日本人に最も多い癌で、依然癌による死亡順位の第二位を占めていますが、胃がんの死亡率は減少しつつあります。その理由としては、比較的早期で発見されるようになってきたことや、手術が安全にしかも十分に行われるようになったことが考えられます。
胃がんは胃の内側にある粘膜から発生する癌です。胃の中に様々な食物や胃酸などの刺激などによる粘膜の慢性炎症が原因の一つと考えられています。また最近では胃の中にいるピロリ菌の関与も考えられています。
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2.検査
胃がんは、胃の粘膜面にしこりや潰瘍として、あるいは早期の病変の場合、粘膜の凹凸や色の変化として発見されます。胃がんの検査としては、胃癌の場所、大きさ、範囲に関係した検査(胃カメラ、生検、胃透視)や病気の広がりに関する検査(レントゲン、超音波検査、CT)を行います。これらの検査から胃がんの深達度、転移などが予測され、胃がんの進行度(ステージ)が判断されます。
深達度とは、胃がん細胞が胃壁の中にどの程度深く達しているかを示しています(図1)。胃がんが進むと、粘膜、筋層、胃表面(漿膜)、他の臓器へと徐々に癌が深く進行していきます。また、胃から離れてリンパ節へ転移することもあり、胃に接したリンパ節から、胃の血管に沿うリンパ節、さらに遠くのリンパ節へと進んでいきます。あるいは、おなかの中(腹膜播種)や他の臓器(肝臓、肺など)への転移が見られることもあります(図2)。 |
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3.胃がんの手術
手術は胃がんが出来ている場所、広がりや進行度によって手術方法が決定されます。通常最も多く行われる手術(定型手術)として、胃の出口(幽門)側の2/3以上切除してリンパ節を取り除く手術(幽門側胃切除)があります(図3)。また、胃がんが胃の入り口(噴門)に近い部のみにある場合は噴門側胃切除術を行うこともあります。胃がんが全体に広く広がっている場合は胃を全部切除(胃全摘術)します(図4)。さらに、胃がんが進行して他の臓器へ及んでいる場合は、膵臓、脾臓、肝臓、食道、大腸などの合併切除(拡大手術)や食べ物の通り道を作る手術(バイパス手術)を行うこともあります。一方、早期の段階であれば、胃の切除範囲やリンパ節を取り除く範囲を少なくしたり(縮小手術)、胃の大網という脂肪組織を温存して腸の癒着を防いだり、胃の出口の幽門や、神経などを温存した手術を行い、胃切除後の障害をできるだけ軽減する方法も行うことがあります。
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4.十分に納得した治療をうけるために
当院では、原則として日本胃癌学会の胃がん治療ガイドラインを参考にした治療を行っています。このガイドラインは、胃がんの進行度に見合った治療法の目安となるもので、一般の方へわかりやすく解説した「胃がん治療ガイドラインの解説」という本にも詳しく述べてあります。
一方、個々の患者さんは、それぞれ状態(年齢、体力、持病など)が異なるため、手術、麻酔を受ける前に全身状態の検査(血液検査、心電図、呼吸機能、肝機能、腎機能など)を行います。これらを総合的に判断し、治療方針(手術適応、手術方法など)を最終的に決定することになります。胃がんについて、担当医とよく相談し納得した上でその人に最も適切な治療法を決めることが重要です。 |