泌尿器科


女性の尿失禁
 尿失禁は、軽症のものを含めると、健康女性の約1/3にみられます。社会生活上での不都合を生じ、精神的な面でも大きな問題となります。尿失禁には腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁・溢流性尿失禁・真性尿失禁などいろいろなタイプのものがあり、それぞれ症状や治療法が異なります。ここでは女性によく生じる尿失禁の種類と治療法について述べます。


尿失禁のタイプ
 @腹圧性尿失禁
咳やくしゃみをした時、または重たいものを持った時など、お腹に力が入った時に尿が漏れてしまう場合は腹圧性尿失禁が考えられます。
女性に多い尿失禁のタイプです。若い人にも見られますが、特に出産後や更年期に多く見られます。骨盤を支える筋肉が弱くなり膀胱の出口が下垂する事が原因です。


 A切迫性尿失禁
トイレに行きたいと思ったら我慢できずに漏れてしまう。
冷たい水で手を洗ったり寒いところに行くと漏れてしまうなどの症状がある場合は、切迫性尿失禁が考えられます。脳神経の障害や膀胱炎などで、 膀胱が勝手に縮んでしまうことが原因です。




診 断
問診によって大まかな尿失禁のタイプはわかりますが、正確な原因を知る為に以下のような検査をする場合があります。


@ パッドテスト:飲水をしてから決まった運動をしてもらい、漏れた尿量を測定します。尿失禁の重症度を見るテストです。
A レントゲン検査:膀胱内に造影剤を入れて膀胱や尿道の形を見る検査です。腹圧性尿失禁の場合は正常よりも膀胱が下垂して見えます。
B 膀胱の機能検査:尿道から細い管を膀胱内に挿入し、膀胱内にガスを入れて膀胱の容量や内圧を測定する検査です。


治 療
尿失禁のタイプによって治療法は異なります。また、違うタイプの尿失禁が同時に生じる場合もありますので、いくつかの治療法を組み合わせる場合もあります。主な治療法としては以下のようなものがあります。


@腹圧性尿失禁の治療
<薬物療法>
主に尿道を収縮させるような薬を使います。

<骨盤底筋訓練>
膀胱を支える骨盤の筋肉を鍛える運動です。自宅でできる治療法です。

<手術療法>
カメラで尿道にコラーゲンを注入し尿道を狭くする手術や、下垂した膀胱の出口をテープで持ち上げる手術などがありますが、最近では短期間の入院で小さな傷で治療できるような工夫がされています。

A切迫性尿失禁の治療
<薬物療法>
膀胱の収縮を押さえるような薬物治療が中心となります。


上記以外にも様々な要因で尿失禁を生じる場合があり、それぞれに治療法も異なります。気になるような症状がある場合は一度専門医に相談される事をお勧めします。