医務局長
乳腺外科部長
リンパ浮腫センター長    北村 薫

プロフィール



私は本来まったくの文科系人間ですが、祖母を胃がんでなくしてから、両親の大反対を押し切って急きょ医学部を目指し、1981年、単身九州の地に上陸しました。
当時は今より更に外科医を志す女性は少なく、母校の外科教室にはとうとう入局させてもらえませんでしたが、どうしても消化器外科医になりたくて九州大学第二外科に半ば強引に入れてもらいました(文献1)。留学後に文部教官として大学に戻ってからは、恩師杉町教授の勧めで、女性という特性を活かせるセクションとして乳腺疾患の診療に専念するようになりました。確かに同性の病気を自分のことに置き換えて考えられますし、どうやら男性の主治医よりは患者さんが本音を打ち明けやすいらしいことは、診療上とても大きなメリットで、独自に考案した内視鏡手術や同時再建の術式は、まさに「患者さんの声」から生まれたようなものです(文献2)。これらの手術は整容性がきわめてよいですし、最近では病院を選ぶ際、インターネットで各施設の診療内容が比較できるため、九州大学時代にも遠隔地から来られる患者さんは多かったのですが、こちらで開設してからも県外から多くの方に訪ねていただいており、外科医冥利につきる光栄と、身の引き締まる思いです。今年度より、広島大学より梶谷桂子医師を迎え、専任看護師も山口英子君・中根由美君の二人体制となり、少しでも「短い待ち時間・長い診療時間」を目標とともに、これまで以上に個々のケースに応じた最良のオーダーメイド治療をめざし、患者さんと一緒に治療方針を探していきたいと、新たな「闘志」を燃やしております。

※ 文献1 退官記念文集「杉町圭蔵教授」
  文献2 Save the Breastは、乳腺外科の待合室に置いております。


<対象疾患>

どんな疾患でも、どんな病態でも女性の精神的QOLに配慮したきめ細かな診療が受けられます(おもな手術の詳細はHPに掲載しています)。


●良性腫瘍(乳腺症、線維腺腫、乳管内乳頭腫、脂肪腫など)
1997年より、脇の下の1.2cmの傷から行う内視鏡下腫瘍摘出術(内視鏡乳腺手術 写真説明参照)を考案し、10cm位までの良性腫瘍なら乳房に一切メスを入れずに日帰り手術で治療できます。

内視鏡乳腺手術(写真説明参照)は第10回アメリカで行われた国際内視鏡外科学会(SLS Congress)で最優秀賞を、第17回日本内視鏡外科学会では、会長賞であるカールストルツ賞を受賞した、おそらく世界一小さい傷で乳腺腫瘍を治療できる方法です。  

●乳癌術後の乳房、乳頭・乳輪の二期的再建(二期的再建術 写真説明参照)など
乳房切除から何年経っていても再建は可能ですので、お気軽にご相談ください。

●乳癌
切除範囲が広い早期症例には、術後整容性を考慮して皮下乳腺全切除に生食バッグを用いた同時再建を、これも内視鏡を用いて約6cmの脇の傷から行えます(同時再建術 写真説明参照)。

さらに早期乳癌ではセンチネルリンパ節生検 (写真説明参照)をあらかじめ行って、腋窩リンパ節の郭清が省略できるかどうか調べることができます。

●原発、転移性を問わず、各種集学的治療(放射線照射、術前後の薬物療法を含む)

●乳癌術後のリンパ浮腫
リンパドレナージ講習会を定期的に展開しており、テキストは乳腺外来と九州大学生協においています(1,000円)

●乳房形成不全、陥没乳頭、女性化乳房、漏斗胸など

●乳腺炎、乳腺症など

●乳癌検診
マンモグラフィー、超音波(エコー)併用で、上手にできる自己検診のやり方をお教えしています。

●セカンドオピニオン

●鬨(かちどき)の会
九大で立ち上げた「ときの会」はメーリングリストだけでしたが、読み方もさらに勇ましくなり、市民団体として再結成しました。皆様のご協力・ご参加を心よりお待ちしております。http://lymph.jpn.cx/